抄録
分節型胆嚢腺筋症に合併した石灰乳胆汁に対し,腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した症例を経験したので報告する.症例は72歳,女性.近医にて肝機能障害を指摘され精査加療目的に当科紹介となった.入院時検査成績では肝胆道系酵素の上昇を認めた.腹部単純X線で右上腹部に立位で鏡面形成を示す石灰化陰影を認め,石灰乳胆汁が疑われた.腹部超音波,腹部CT, 腹部MRIにて胆嚢頸部の分節型胆嚢腺筋症に合併した石灰乳胆汁と診断し,腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.胆嚢頸部に分節型の胆嚢腺筋症を認め,それより底部側は糊状緑色の石灰乳胆汁が充満していた.病理組織検査にて胆嚢腺筋症と診断された.術後経過は特に問題なく第8病日に退院となった.分節型胆嚢腺筋症に合併する石灰乳胆汁は極めて稀であり,文献的考察を加え報告する.