日本臨床外科学会雑誌
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幽門に嵌頓した胆石イレウスの1例
中川 有, 宮崎 修吉, 宮田 剛, 里見 進
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2002 年 63 巻 7 号 p. 1782-1786

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抄録
症例は69歳,女性.嘔吐と意識障害あり他院入院,著明な高血糖から糖尿病性昏睡の診断で治療を受けた.また,左下肢の壊死が進行したため,左下肢切断術を受けた.術後,糖尿病治療を受けていたが,嘔吐が続き経口摂取できなかった.腹部単純X線写真で右上腹部に円形の石灰化像と胆道内にpneumobiliaを認めた.胃十二指腸造影と腹部CT検査では胃・十二指腸球部に結石が描出され,胃内視鏡検査では十二指腸球部に嵌頓した結石が認められた.胆石イレウスおよび胆嚢十二指腸瘻の診断にて手術を施行したところ,胆嚢体部が胃幽門前庭部前壁に穿通していた.結石は胃内にあり, 5×5×10cm, 130gと巨大で,幽門輪に嵌頓していた.検索した報告例の中では最大の結石であった.結石摘出,胆嚢摘出および瘻孔閉鎖術を一期的に行った.胆石による胃通過障害はBouveret症候群と呼ばれ,稀な疾患である.今回われわれは,胆嚢胃瘻を通過した胆石が胃幽門に嵌頓して生じた胆石イレウスの1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
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