抄録
非常に稀な早期胆嚢・胆管癌の同時性重複癌の1例を経験したので報告する.症例は78歳,男性.心窩部痛にて当院内科を受診した.腹部CTでは,胆嚢は頸部から体部にかけて壁肥厚を認めた.また,総胆管は18mmと拡張していたが結石は認めず,膵腫瘍やリンパ節腫脹も認めなかった. ERCPでは,総胆管は拡張し総肝管に14mmの陰影欠損を認めた. EUSでは,胆嚢上皮の限局性肥厚を認めた.胆嚢腫瘍と総肝管腫瘍と診断され,当科を紹介された.上記診断にて開腹下に手術を施行した.術中所見では,胆嚢腫瘍は明らかではなかったが総肝管内に径10mmの結節性病変を認めたため胆管癌と診断し,肝外胆道切除術,総肝管空腸吻合術を施行した.病理組織学的には上部胆管癌および胆嚢癌で深達度は共にmであり,リンパ節転移や脈管浸潤は認めなかった.