日本臨床外科学会雑誌
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原発性自然気胸に対する治療とその成績
木下 貴裕前部屋 進自櫻井 照久岡村 吉隆
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2003 年 64 巻 1 号 p. 1-4

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抄録

原発性自然気胸の治療とその成績を検討した.対象は, 1999年1月より2001年12月まで,初回治療例59例67側(両側8例).平均30.1歳.治療方針は,入院時,胸部X線写真とCTにてブラの有無を判定.原則として全例胸腔ドレナージ.気漏がなければ3日目にドレーン抜去し,翌日に退院.気漏が続けば手術.再発例は,気漏の有無に関わらず手術.手術は,胸腔鏡下ブラ切除術.【結果】(1)初回治療:安静のみ2症例.胸腔ドレナージ57例, 65側(両側8例)で,手術なしで退院したのは, 43側であった.手術を行ったのは, 22側であった. (2)胸腔ドレナージのみの再発率は, 27.9%であった.ブラの有無別再発率は,ブラあり40.7%,ブラなし11.1%.再発例には,全例手術を施行した. (3)手術成績:初回入院時と再発時合わせて35側に胸腔鏡下ブラ切除を施行した.術後再発率は, 8.6%であった.以上より,ブラが明らかな症例に対しては,初回時に手術を勧めても良いと考える.

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