抄録
餅による食餌性サブイレウス状態が3カ月継続した末,小腸穿孔を起こし汎発性腹膜炎となった症例を経験したので報告する.症例は66歳,男性.胃切除術の既往がある.平成13年12月18日腹痛のため内科入院.イレウスの診断で保存療法を受け軽快したため退院した.その後も腹痛がときどき出現していたが, 3月29日朝より突然激しい腹痛となり来院.腹部に腹膜刺激症状と,腹部CTでイレウス像,腹腔内遊離ガス像および回腸に長径4cmの高濃度を示す食物塊が認められた. 12月の腹部CTを見直したところすでに同様の食物塊が描出されていた.以上より3カ月にわたる食餌性サブイレウスの末の消化管穿孔,汎発性腹膜炎の診断で開腹術を行った.回腸に嵌頓した餅と,その180cm口側の空腸に穿孔部を認めた.術後敗血症となったが,集中治療の末救命しえた.食餌性のサブイレウスが3カ月継続した末,小腸穿孔を起こした例は極めて稀であるため報告した.