抄録
非生理的な腸管吻合を施行された後に長期間を経て発症した盲端・盲管症候群に対し外科的治療を要した症例について検討をくわえた.対象は1990年から2001年までの11年間に当科で経験した外科治療後の盲端・盲管症候群5例とした.男性3例,女性2例.年齢は52~72歳,平均63.8歳であった.初回手術はいずれも32~44年,平均38.6年前と今回の手術までに長期間を経ていた.また,初回手術のうち3例が急性虫垂炎に対する手術であり,全例初回手術後イレウスなどで再手術を施行されており,いずれも再手術の際に盲端・盲管が作られたものと考えられた.主訴は4例が腹痛であり,検査上2例に貧血を認めたが, 1例は消化管出血によるものであり, 1例は正球性正色素性貧血であった.術前に盲端・盲管を診断していた症例は3症例で,消化管穿孔による緊急手術が1例,癒着性イレウスの診断が1例であった.手術は全例に盲端・盲管の切除を施行した.