抄録
回腸離断後回腸横行結腸側々吻合による盲嚢腸管潰瘍から出血をきたしたblind loop syndrome (以下BLSと略)の1例を経験した.症例は66歳,男性.主訴は下血. 8歳時急性虫垂炎で手術,その後術後イレウスのため3度の手術を受けた.今回,小腸造影・大腸内視鏡で,横行結腸と小腸との吻合が確認された. BLSに伴う出血と考え,手術施行.回腸はバウヒン弁より20cm口側で切断され肛門側は盲端となり,口側回腸は切断端より15cm口側で横行結腸と側々吻合されていた.右半結腸切除とblind loopの腸管を切除,回腸結腸端端吻合を施行.切除標本にて盲端の回腸内に単発性の潰瘍を認めた.腸管の側々吻合術後,長期間経過した後盲嚢腸管より出血をきたすことがある.下血の検索にこのような既往がないか念頭に入れる必要がある.