抄録
症例は47歳,男性.検診にて十二指腸の異常所見を指摘され当院受診.上部消化管内視鏡検査にて十二指腸副乳頭部に径15mmの中央に浅い陥凹を伴う隆起性病変を認め,生検でカルチノイドと診断された.超音波内視鏡検査では深達度smと考えられた.腹部CTでは,肝転移,十二指腸周囲のリンパ節腫脹は認めなかった.十二指腸副乳頭部カルチノイドの診断で幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的所見は,十二指腸副乳頭部カルチノイド, 14×13mm,深達度sm,リンパ節14dに3個の転移を認めた.十二指腸副乳頭部カルチノイドは腫瘍径が小さくても本例のようにリンパ節転移陽性例があり,膵頭十二指腸切除のようにリンパ節郭清を伴った根治術が望ましいと考えられた.