抄録
患者は69歳の男性.小腸腫瘍,転移性肝腫瘍の診断で手術を施行,病理組織検査にて小腸原発GISTとその肝転移と診断した.その後,転移性肝腫瘍が再発し肝切除, PMCT, TAEを繰り返し施行した.肝内に多数の転移性肝腫瘍および腹壁と腹腔内腫瘍を認め,腹壁腫瘍の針生検による病理組織学的検査でGISTの診断で,免疫組織染色診断にてc-kit (++), CD34 (+)であった.患者がSTI571 (メシル酸イマチニブ:チロシンキナーゼ阻害剤) 400mg/dayの服薬を開始した.約2カ月後の腹部CT, USで転移性肝腫瘍は著明に縮小,腹壁腫瘍の針生検では悪性細胞は認めなかった.また,腫瘍のc-kit遺伝子exonllに変異を認めた.今回われわれは切除不能malignant GISTに対してSTI571が奏効した1例を経験した.