日本臨床外科学会雑誌
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肝動脈塞栓療法後にbilomaを形成した肝細胞癌2例
大谷 博山崎 修松山 光春堀井 勝彦清水 貞利東野 正幸
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2003 年 64 巻 4 号 p. 954-959

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抄録
肝細胞癌(hepatocellular carcinoma;以下HCCと略記)に対してTAEを施行後, bilomaを形成し,その後bilomaを含めて肝切除した2症例を報告する.症例1は67歳,男性.アルコール性慢性肝疾患を背景としたHCCに対してTAEを施行後, bilomaの診断をうけた.その後,当院での精査にて肝S8にHCCの再発が疑われた.症例2は65歳,女性. C型肝炎を背景としたHCCに対し, TAE施行約1.5カ月後に,多発するbilomaを認めた.その後,腫瘍マーカーが再上昇し,再発が疑われたが, HCCとbilomaの鑑別は画像上困難であった.
Bilomaが保存的治療で軽快しない場合や,自験例の様にbilomaの遺残によりその後の癌治療に制約が大きい場合は,癌病巣も含めた外科的切除も考慮されるべきと考えた.
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