日本臨床外科学会雑誌
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胆嚢原発内分泌細胞癌の1例
奥 喜全谷 眞至大西 博信木下 博之内山 和久山上 裕機
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キーワード: 胆嚢癌, 内分泌細胞癌
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2003 年 64 巻 8 号 p. 2005-2009

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抄録
症例は73歳,男性. 1999年4月,体重減少と食欲不振にて近医を受診し,胆嚢癌を疑われた.腹部US, CT, ERCPにて胆嚢底部に腫瘍および肝S4, S5への直接浸潤を認めた.胃透視,内視鏡, EUSで胃壁および十二指腸球部から下行脚に直接浸潤を疑わせる所見も認めた. 1999年6月に手術を施行した.腫瘍は胆嚢底部原発で肝右葉に浸潤していたものの,胃と十二指腸への浸潤はなかったが,左上腹部腹膜に腹膜播種を疑う結節を認め,術中迅速病理検査に提出したところundifferenciated carcinomaであったため,胆摘・肝床部切除にとどめ,手術を終了した.術後の病理組織学診断ではneuroendo-crine carcinomaで,免疫組織染色ではNSEが陽性であった.患者は術後6カ月後に死亡した.胆嚢原発内分泌細胞癌の1例を経験したのでここに報告する.
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