日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
胆嚢管低位合流によると思われた原発性胆嚢管結石の1例
平嶋 勇希上田 和光山田 純武井 芳樹佐藤 宗勝奥村 稔
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 64 巻 8 号 p. 2001-2004

詳細
抄録
症例は55歳,女性.健康診断で肝機能異常を指摘された.腹部超音波, CT, MRCP検査で胆嚢,総胆管内に結石はなく胆道拡張もみられなかったが総胆管左背側に棒状の透亮像がみられた.しかし,この時点で確定診断がつかず経過観察となった. 6カ月後,腹痛と肝胆道系酵素値の異常が発症しERCP検査を行ったところ胆嚢管低位合流と胆嚢管内に4×1 cm長の鋳型状結石を認めた.術式は可及的に胆嚢管を長く切除する開腹胆摘術を行った.胆嚢は慢性胆嚢炎で結石はビリルビン結石であった.自験例は長い胆嚢管内で胆汁の鬱帯により発生した,いわば原発性胆嚢管結石症ともいえる.再発を防止するためには胆嚢管を可及的に切除する胆摘術が必要と考えられた.
著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top