日本臨床外科学会雑誌
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十二指腸原発GIST術後7年目に発見された肝転移切除の1例
成清 道博高 済峯向川 智英青松 幸雄桑田 博文中島 祥介
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キーワード: 十二指腸GIST, 肝転移, 肝切除
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2004 年 65 巻 1 号 p. 93-97

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抄録
症例は50歳,男性.平成7年に十二指腸に発生したgastrointestinal stromal tumor (以下GIST)に対し,十二指腸部分切除を施行した.病理学的にはGIST, uncommitted typeでlow grade malignancyと診断された.その後再発を認めなかったが平成14年3月背部痛を主訴に近医受診し超音波検査で肝S7に径6 cm大の腫瘍を指摘された.当科での精査の結果,十二指腸平滑筋肉腫の肝転移と診断され,同年5月1日,肝右葉切除術を施行した.病理組織検査で, GISTの肝転移と診断され,原発巣に比して悪性度が高まっている所見がみられた.術後経過は良好であり退院後1年の経過観察中再発なく生存中である. Low grade malignancyと診断された原発巣切除後7年を経過して肝転移をきたしており, GIST症例における長期間の慎重なfollow upの必要性が示唆された.
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