日本臨床外科学会雑誌
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2001年WHO組織分類に基づいた胃悪性リンパ腫外科治療成績の検討
蜂須賀 崇山田 行重成清 道博上野 正闘頼木 領大東 雄一郎水野 崇志中島 祥介市島 國雄
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2004 年 65 巻 11 号 p. 2839-2842

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抄録

2001年までに胃切除術を施行した胃悪性リンパ腫21例の組織分類を見直し,その治療の有効性について検討した.全21例中, MALT lymphomaが7例, diffuse large B-cell lymphoma (DLBCL)が13例, follicular lymphoma (FL)が1例であった. MALT lymphomaについては1例に再発を認めたが化学療法により寛解が得られた.一方, DLBCLについては根治度Aであっても高率に再発を認めた(75%).全症例の5年生存率は71.3%, MALT lymphomaは100%, DLBCLは52.7%であり, WHO組織分類は臨床的悪性度を反映していた.胃切除術によるQOLの低下という一面から内科的治療が優先されるものの,長期的な予後については今後も双方の更なる検討が必要である.

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