日本臨床外科学会雑誌
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共存腺癌部でchromogranin Aが認められた胃神経内分泌細胞癌の1例
舟木 洋廣澤 久史野島 直巳福島 亘角谷 直孝泉 良平
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キーワード: 胃神経内分泌細胞癌
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2004 年 65 巻 2 号 p. 380-384

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抄録

症例は63歳,男性.主訴は心窩部痛.上部消化管内視鏡検査で胃体上部小彎側に3型腫瘍が認められ,生検では非充実型低分化腺癌と診断された.腹部造影CTで明らかな他臓器転移を認めず,胃全摘,脾臓合併切除, D2郭清を施行した.病理組織学的には,神経内分泌細胞癌と診断され,一部粘膜内に高分化型管状腺癌を共存していた.また, chromogranin Aは両部位で陽性であった. Etoposide, cisplatinを用いた術後補助化学療法を施行したが,多発性肝転移をきたし,術後6カ月で原病死した.胃神経内分泌細胞癌は稀な組織型で,極めて予後不良であることが知られている.本症例は,共存した高分化型管状腺癌部でもchromogranin Aが認められ,組織発生の観点から興味ある症例と考えられ報告する.

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