日本臨床外科学会雑誌
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乳癌の両側卵巣転移により仮性Meigs症候群を呈した1例
藤井 雅和沖野 基規藤岡 顕太郎山下 勝之
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2004 年 65 巻 3 号 p. 631-635

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抄録
症例は34歳,女性.主訴は労作時呼吸困難.平成10年6月に左乳癌に対し,定型的乳房切断術,平成13年4月に胸壁再発に対し,胸壁切除・再建術が施行された.平成14年10月,労作時呼吸困難が出現し,右胸水貯留が認められたため入院した.持続胸腔ドレナージが行われ, 500~2,000ml/日の胸水が排液された.胸水細胞診はclass IIIで細菌培養,結核検査も陰性であった.心不全所見は認めなかった.原因不明の難治性胸水として加療中に,腹部膨満感を訴えたため精査され,巨大な骨盤内腫瘤が発見されたが,発生臓器は不明とされた.平成14年11月に腫瘍摘出術が施行された.腫瘍は左右の卵巣より発達する乳癌の巨大転移巣であった.術後,右胸水は消失し,乳癌の両側卵巣転移による仮性Meigs症候群と診断された.われわれの検索しえた限りでは,乳癌原発の転移性卵巣腫瘍による仮性Meigs症候群の報告例はなく,本例が第1例目である.
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