抄録
症例は65歳,男性,主訴は肛門よりの腫瘤脱出. 1997年夏頃より血便,体重減少あるも放置していた. 1998年1月より粘血便持続のためオムツ使用.排便時に腫瘤が脱出するようになり近医受診し1998年2月18日当科紹介入院となる.排便時の脱出腫瘤は12cm大でカリフラワー様,軟らかく腫瘤の表面より粘液の排出を認めた.しかし電解質異常,脱水などdepletion syndromeは認めなかった.また腫瘤の還納は可能であった.精査後癌合併の可能性のあるvillous tumorの診断で経肛門的切除術を施行した.術後病理組織診断はcarcinoma in tubulovillous adenoma,深達度mであった.術後5年経過しているが狭窄所見,再発所見なく健在である.