日本臨床外科学会雑誌
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乳房温存手術後の乳房再発例の検討
桧垣 健二原野 雅生池田 義博佐々木 寛青木 秀樹小野田 正塩崎 滋弘大野 聡二宮 基樹高倉 範尚
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2004 年 65 巻 6 号 p. 1467-1472

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抄録

1987~2002年の間に施行された乳房温存手術584例を対象に再発形式を検討した.対象例の切除断端陽性例は74例(12.7%)であり,乳房照射は370例(63.4%)に行われた.平均観察期間は58.5カ月であり,再発は52例(8.9%)に認められ,その内訳は乳房19例(36.5%),乳房・その他3例(5.8%),局所8例(15.4%),遠隔転移22例(42.3%)であった.乳房の無再発生存率は, 5年95.7%, 10年94.0%であった.再発後の5年生存率は,乳房94.7%,局所70.0%,遠隔転移52.2%であり,乳房・その他は100%であった.乳房再発の19例の約2/3に再度乳房温存手術が施行された.予後が良好な原因としてその約半数がDCISもしくはそれに準じたものであったためと考えられることより,乳房温存手術後には可能な限り乳房再発の早期発見に努める必要がある.

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