日本臨床外科学会雑誌
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重症呼吸障害を伴う間質性肺炎に対する胸腔鏡下肺生検の2例
住田 亙久保田 仁鈴木 秀昭神谷 諭浅羽 雄太郎佐藤 太一
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2004 年 65 巻 6 号 p. 1515-1519

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抄録

重症呼吸障害を伴い,間質性肺炎を疑う患者に対し,胸腔鏡下肺生検を行い組織学的診断をしえた2症例を経験したので報告する.症例1は62歳,女性.労作時呼吸困難を主訴として受診した.肺活量0.791,予測値に対する割合は32%であった.症例2は74歳,男性.呼吸困難を主訴として受診.マスクにてCPAP 10cmH2O, FiO2 0.5にて補助換気が必要であった. 2症例とも他検査で診断が確定せず,胸腔鏡下肺生検を施行し,組織学的診断を確定しえた.術後経過は良好で, 2症例とも術後7日目には内科転科となり,内科的治療が開始された.
間質性肺炎の治療法決定のためには組織学的診断が必要となってきている.
胸腔鏡下肺生検は重度の呼吸障害を伴う患者に対しても施行しうる有用な検査である.

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