日本臨床外科学会雑誌
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肺原発平滑筋肉腫の1例
小橋 俊彦山崎 浩之越智 誠吉岡 伸吉郎米原 修治浅原 利正
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2004 年 65 巻 6 号 p. 1520-1523

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抄録

症例は70歳,女性.全身倦怠感を主訴に来院し,胸部X線写真で左上肺野に異常陰影を指摘された.胸部CTを施行したところ,左S3に24×30mm大の腫瘍陰影を認め,確定診断は得られなかったが,画像所見より肺癌と診断し,左上葉切除術およびリンパ節郭清を施行した.切除肺にて腫瘍は臓側胸膜に露出する37×23×27mm大で,組織学的には紡錘形の腫瘍細胞が束状に配列して錯綜する像を呈しており,核分裂像を高頻度に認めた.免疫組織学的には,抗α-smooth muscle actin抗体,抗desmin抗体,抗vimentin抗体に対する免疫活性陽性所見を示し,平滑筋肉腫と診断した.全身検索を行ったが,他臓器に腫瘍性病変は指摘できず,肺原発と考えた.術後2年6カ月後に右肺転移・胸壁転移・左腎転移を認め,腎転移については腎動脈塞栓術を施行した.術後3年5カ月の現在,経過観察中である.

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