日本臨床外科学会雑誌
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早期胃癌(深達度m)根治術後5年目に皮膚転移をきたした1例
田儀 知之植木 孝宜櫻井 喜代美小野 滋中路 啓介山岸 久一
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2004 年 65 巻 6 号 p. 1544-1547

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抄録

症例は56歳,女性.主訴は右側腹部腫瘤.平成9年7月3日胃癌(占拠部位AM)に対し,胃全摘・脾合併切除術, D2郭清, Roux-Y再建術を施行された.病理組織所見は, signet ring cell carcinoma, m, (broad), ly0, v0, aw (-), ow (-), n0, P0, H0, M0, stage Iaであった.その後,再発なく内科外来通院中であった.平成14年8月頃より右側腹部の腫瘤を自覚するも放置していた.その後増大傾向がみられたため,平成14年9月19日に当科を受診した.摘出生検の結果,胃癌の皮膚転移と診断された.早期胃癌の中でも深達度m癌の根治術後に緩徐な経過をたどり,他臓器転移なく複数個の皮膚転移のみをきたした極めて稀な症例であると考えられた.

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