日本臨床外科学会雑誌
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食道癌術後に異時性に二度発症した胃管癌の1例
仲本 嘉彦原田 武尚竹尾 正彦小縣 正明山本 満雄小西 豊
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2004 年 65 巻 6 号 p. 1548-1552

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抄録

食道癌術後の再建胃管に異時性に発生した胃癌に対して胃管部分切除術と残胃管全切除術の2回の手術を行った1例を報告する.症例は66歳の男性で, 2000年10月に胸部食道癌(中分化型扁平上皮癌, pT3, pN0, pStage II)に対して右開胸開腹食道亜全摘,胸骨前経路胃管再建術を施行した. 6カ月後に再建胃管に1型胃癌を認め,胃管部分切除術を施行した.病理組織診断は中分化型腺癌, T2, N0, Stage IB,切除断端陰性であった.その1年後定期的内視鏡検査で残胃管に再び3型様胃癌を認め,胃管全切除術および左側有茎結腸再建術を施行した.病理組織診断は高分化型腺癌, T1, N0, Stage IAであった.その後2003年10月に食道癌再発による癌性胸膜炎のため死亡した.胃管癌は食道癌術後の経過観察において注意すべき疾患の一つであり,定期的な内視鏡検査でその早期発見に努めることが重要である.

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