日本臨床外科学会雑誌
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最長筋への転移で再発した胃癌の1例
小俣 秀雄河野 浩二須貝 英光藤井 秀樹
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キーワード: 胃癌, 最長筋, 骨格筋転移
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2004 年 65 巻 6 号 p. 1553-1557

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抄録

症例は58歳,男性.平成12年1月,胃癌の診断で,胃全摘,胆嚢・脾臓合併切除, D2リンパ節郭清を施行した.組織学的所見は, por 2, pType 4, pT 2 (SS), pN 0, ly 0, v 0, int, INFγ, pPM(-), pDM(-) Stage I bであった.術前化学療法が施行され,その効果判定は, Grade 2であった.平成14年2月,両側鼠径部に腫瘤が出現し再発と診断されたが,化学療法が奏効し,右尿管拡張,両側鼠径部腫瘤ともに消失した.平成14年11月,右下肢が腫脹し, CT検査にて,腰背部の最長筋の腫大を認め,穿刺針生検施行したところ,胃癌の最長筋への転移であった. S-1による化学療法にて腫瘤は消失し, 6カ月目の現在も再発はない.今回,われわれは,最長筋への転移という稀な症例を経験したので報告する.

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