日本臨床外科学会雑誌
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胆管に発生した異所性肝細胞癌の1例
塚本 好彦佐藤 美晴佐溝 政広原田 直樹宮下 勝
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キーワード: 異所性肝細胞癌, 胆管
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2004 年 65 巻 6 号 p. 1631-1635

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抄録

胆管癌の疑いにて胆管切除を施行し,術後の病理組織学的検査にて,胆管に発生した肝細胞癌と診断された症例を経験した.症例は77歳男性,黄疸を主訴に来院した.血液検査で総ビリルビン11.5mg/dl, CA19-9 187U/Lで高値を示しており,閉塞性黄疸のため緊急で経皮経肝胆管ドレナージ術を施行した.減黄後の胆管造影で三管合流部に4cm大の陰影欠損があり, CTおよび超音波検査にて中部胆管領域に腫瘤陰影を認めたため,胆管腫瘍と診断し,胆管切除術を施行した.中部胆管に黒褐色の腫瘍を認め,病理組織検査では,中分化型, Edmondson3型の肝細胞癌と診断した.胆管に発生した異所性肝細胞癌の報告は本症例をふくめ, 7例の報告があるのみで極めて稀であるので,文献的考察を加え報告する.

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