日本臨床外科学会雑誌
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腹壁原発悪性線維性組織球腫の1例
森 隆太郎三浦 勝高橋 徹也小尾 芳郎山中 研阿部 哲夫
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2004 年 65 巻 6 号 p. 1689-1694

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抄録

腹壁より発生した悪性線維性組織球腫の稀な1例を経験したので文献的考察を加え報告した.
症例は51歳,男性.左側腹部腫瘤を自覚し増大傾向を認めたため,当科紹介受診し,入院となった.腹部は平坦,軟で,左肋骨弓下に弾性硬,可動性不良な径9×7cmの腫瘤を認めた.超音波検査, CTで外腹斜筋・腹横筋を内外へ圧排するように増大する内部不均一な腫瘤を認めた.その大きさと急速な増大傾向より軟部悪性腫瘍を疑い腫瘤摘出術を施行した.腫瘍は10×6×7cmの弾性軟な腫瘤で粘液腫状の部分が1/2以上を占め,表面は線維性の被膜で覆われていた.病理組織学的にmalignant fibrous histiocytoma, myxoid typeと診断した.術後合併症なく経過し,術後9日目に退院となった.

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