日本臨床外科学会雑誌
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回腸迷入膵による腸重積の1例
藤本 大裕田口 誠一太田 信次足立 巌飯田 茂穂中川原 儀三
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キーワード: 回腸, 迷入膵, 腸重積
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2004 年 65 巻 9 号 p. 2388-2391

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抄録

症例は81歳,女性.腹痛,嘔吐を主訴に当院受診した.腹部エコー, CT検査にて骨盤腔内にターゲットサインを認め,またそれより口側の小腸の拡張を認めた.小腸重積による腸閉塞と診断,緊急手術を施行した.回腸末端部より60cm口側の回腸がおよそ28cmにわたって重積を起こしており,回腸部分切除を施行した.切除標本では腸重積の先進部となった径2.5×2×1cm大の粘膜下腫瘍を認めた.病理組織学的検査において粘膜下組織内に導管構造と腺葉を認め,迷入膵Heinrich分類II型と診断した.迷入膵は胃,十二指腸などの膵臓の近傍に好発する疾患で,回腸に発生することは比較的稀である.回腸迷入膵は腸重積や腸閉塞といった合併症を発症して小腸切除されてから診断されることが多く,術前診断が困難な症例が多い.

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