日本臨床外科学会雑誌
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閉鎖孔ヘルニアが原因となった絞扼性イレウスの1例
五十嵐 章小里 俊幸斉藤 孝晶
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2005 年 66 巻 3 号 p. 643-646

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抄録
症例は81歳女性.平成16年3月20日頃より食欲不振があり寝ている状態が多かった. 3月22日より嘔吐が出現し当院内科を受診,腸閉塞が疑われ外科入院となった.イレウス管にて減圧を行ったが症状の改善は得られず,さらに全身状態も悪化したため緊急手術を行った.開腹すると血性の腹水と循環障害に陥った腸管が認められた.原因を検索すると右閉鎖孔に回腸が嵌頓しており,そこを軸として小腸が時計回りに回転し腸間膜が絞扼されていた.手術は絞扼された小腸を約150cm切除した.
閉鎖孔ヘルニアが原因で絞扼性イレウスとなった症例はわれわれが調べ得た限りではみられず,極めて稀な症例と思われた.
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