日本臨床外科学会雑誌
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回腸異所性膵による小児腸重積の1例
金成 正浩藤澤 順湯川 寛夫永野 篤松川 博史清水 哲
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キーワード: 異所性膵, 腸重積症, 回腸
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2005 年 66 巻 3 号 p. 653-656

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抄録
小児における腸重積は頻度の高い疾患であり,多くが原因疾患を有さない特発性で,異所性膵によるものは稀である.今回,われわれは回腸異所性膵による腸重積の1例を経験したので報告する.
症例は6歳男児.腹痛,腹部膨満が出現したため近医受診し,浣腸を施行され血便を認めた.その後も腹部膨満は改善せず,嘔吐も出現したため,当院小児科受診となった.腹部単純X線写真にて腸閉塞と診断され当科受診となった.腹部超音波にてpseudokidney signを認め,腸重積と診断,発症から24時間以上経過しており,緊急開腹手術となった.術中所見では回腸回腸結腸型の腸重積を認め,これらを整復すると重積先進部に約2cmの腫瘤を触知したため,同部位を含めて腸切除を行った.病理組織学的にHeinrich I型の異所性膵と診断された.術後経過は良好で再発を認めていない.
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