日本臨床外科学会雑誌
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膵頭部癌におけるdouble duct signを用いた門脈浸潤診断に関する検討
呉 成浩金子 哲也竹田 伸井上 総一郎中尾 昭公
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キーワード: 膵頭部癌, 門脈浸潤
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2005 年 66 巻 5 号 p. 1012-1015

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抄録

ERCP所見におけるdouble duct signとは,総胆管と主膵管の両方が狭窄を示すもので,膵頭部癌においてしばしば認められるが,門脈浸潤との関係を検討した報告はない.方法: 1986年から2003年の期間に当科で切除した膵頭部癌のうち術前にERCPが施行されている105例を対象とし, double duct signと門脈浸潤を含む病理組織因子との関係を検討した.結果: Double duct signは病理組織学的門脈浸潤に有意に相関した (P<0.001). Double duct sign陽性で,術前CTによる腫瘍径が2cm以上の場合,門脈浸潤の診断において, specificity (76.9%), positive predictive value (72.7%), の点で有用だった.また, double duct signは腫瘍径, perineural invasion, とも有意に相関した.結語: Double duct signは膵頭部癌における門脈浸潤を術前に評価する一助になると考える.

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