日本臨床外科学会雑誌
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前立腺・精嚢浸潤が疑われた進行直腸癌に対し膀胱温存手術を行った1例
中尾 照逸内田 寿博塚本 義貴
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2005 年 66 巻 5 号 p. 1125-1129

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抄録

局所進行直腸癌に対し,膀胱温存手術を行い良好な術後生活を得た症例を報告する.症例は59歳,男性.排便異常を主訴に来院.大腸内視鏡検査・MRI検査などの結果,前立腺・精嚢への浸潤を伴う2型直腸癌と診断した.術中迅速病理診断で大動脈周囲リンパ節転移がないことを確かめた後に,膀胱を温存して前立腺・精嚢を直腸と共に合併切除した.組織学的病期はa2, n1(+), P0, H0, M(-), stage IIIaであった.残存膀胱・尿道吻合部の癒合まで術後5週間かかった.退院後は夜間のみ尿漏れがある程度で,患者のQOLはいたって良好であり,術後3年経過して再発の徴候はない.画像診断・手術手技が発達した今日,局所進行直腸癌に対しては,可及的に膀胱を温存する縮小手術が考慮されるべきである.

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