日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
手術を回避した小腸腸間膜脂肪織炎の1例
萩原 謙橋爪 正明角田 元吉田 直河口 忠彦
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 66 巻 5 号 p. 1194-1198

詳細
抄録

症例は74歳女性.腹痛を主訴に来院した.腹部所見は腹部全体に反跳痛を認め,血液検査で著明な炎症反応を認めた.腹部CT, MRI検査にて,近侯小腸間膜内に4.5×8.0cmの境界不明瞭な腫瘤状病変を認め,小腸腸間膜脂肪織炎と診断した.試験開腹,腹腔鏡も含め手術も考慮したが,保存的治療を継続し徐々に症状は改善し軽快退院となった. 1カ月, 3カ月後の経過観察CTにて腫瘤の縮小を認めた.今回われわれは術前に診断し手術を回避しえた稀な小腸腸間膜脂肪織炎の1例を経験したので報告する.

著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top