日本臨床外科学会雑誌
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早期胃癌とAFP産生胃癌の同時性多発癌の1例
佐々木 剛志杉浦 博村上 慶洋高橋 弘下沢 英二
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キーワード: 多発胃癌, AFP産生胃癌
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2006 年 67 巻 1 号 p. 72-75

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抄録
症例は75歳,男性.貧血の精査にて上部消化管内視鏡検査を施行され,体部大彎に径7.5cm大の3型腫瘍と幽門洞前壁に径3cm大の2型の重複胃腫瘍を認めた.入院時肝細胞癌,肝硬変などを認めなかったが, AFPが86ng/mlと高値であった.両病変を含む幽門側胃切除を施行したところ,術後AFPは9ng/mlと正常化した.摘出標本で体部の病変は核異型の強い管状腺癌でAFP染色陽性であったのに対し,幽門洞部の腫瘍では陰性であった. AFP産生胃癌と管状腺癌の重複は稀であり,文献的考察を加え報告する.
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