臨床血液
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臨床研究
血友病患者のウイルス感染とClq結合免疫複合体
福島 誉子奥山 堅司小室 勝利植田 基生福武 勝幸藤巻 道男
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1991 年 32 巻 12 号 p. 1540-1546

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抄録

血友病患者血清中の各種ウイルス(HIV-1, HBV, B19, HCV)抗体とClq結合免疫複合体(Clq-IC)の測定を試み,ウイルス感染とClq-IC量との関係について検討を行った。血友病Aおよび血友病B患者全体での各種抗体保有率は,B19 (100%), HBV (86.9%), HCV (79.2%), HIV-1 (56.9%)と高値を示し,Clq-IC平均値も50 μg/ml以上で,健常人の平均値と陽性率に比べ有意に高かった。また,ウイルス感染とClq-IC量の関係は,B19は100%の抗体保有率のため,陽性(+)群,陰性(-)群に分けて検討できなかったが,HIV-1, HCV, HBVに関しては,どちらも(+)群で有意に高値を示した(HIV-1: P<0.001, HCV: P<0.005, HBV: P<0.05)。そこで,HIV-1 (+), (-)群をさらにHCV (+), (-)との組合わせで4群に分けてClq-IC量を比較すると,HIV-1 (+) HCV (+)群で最も高値を示し,HIV-1 (-) HCV (-)群で最も低値を示した。以上のことから,これらウイルス感染がそれぞれClq-IC形成に関係し,重複感染ではさらに強い影響を示すことが示唆された。

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© 1991 一般社団法人 日本血液学会
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