臨床血液
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症例
Numb chin syndromeを初発としたBurkitt's type ALL
藤山 文乃松崎 美和子嶋本 義範野口 輝夫倉田 好人黒田 康夫山口 雅也
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1991 年 32 巻 2 号 p. 152-155

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抄録
Numb chin syndromeを初発としたBurkitt's type ALLの1例を報告する。57歳の男性が1989年11月14日に複視と眼瞼下垂を伴う下顎と下口唇のしびれ感のため当院に入院した。神経学的には右動眼神経麻痺および下顎,下口唇,口腔粘膜に感覚障害を認めた。血液検査所見上,白血球の上昇を認めた。骨髄は過形成で92.3%の白血病細胞で占められ,その細胞質内には空胞を認め,表面マーカーはIgM, κ型であった。染色体異常としては8; 14転座が認められた。患者は化学療法,放射線療法を施行された。患者の状態は一時的に改善したが,後日再発し,1990年3月6日死亡した。剖検にて三叉神経への白血病細胞の浸潤が認められた。
ここにnumb chin syndromeを初発としたBurkitt's type ALLを報告し,リンパ系悪性腫瘍とその症候群について検討を加えた。
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© 1991 一般社団法人 日本血液学会
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