臨床血液
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症例
脾腫(-), リンパ節腫脹(+)の臨床所見とSIgM+, SIgG-, CD11b+, CD21+の表面形質を示したHairy Cell Leukemia
時岡 剛嶋本 義範大窪 恭光福岡 麻美大串 和久南雲 文夫若山 一夫山口 雅也
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1991 年 32 巻 2 号 p. 156-161

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抄録

単球系抗原およびSmIgM (κ)陽性のHCLを報告する。1987年より白血球増多を指摘されていた62歳の男性が1989年9月21日,精査目的で当科入院。肝脾触知せず。表在リンパ節を腋窩および鼠径部に触知。末梢血でWBC 12,600/μlと増加,大リンパ球様で細胞辺縁に蕾状の突起が見られ位相差顕微鏡で細胞質周辺より多数の毛髪状突起を出している大リンパ球様細胞を73%認めた。骨髄では有核細胞数13.7×104lで,末梢血同様の大リンパ球様細胞71.2%に認めた。表面形質の検索でCD11b+, CD21+, HLA-DR+, Tac-および表面IgM (κ)陽性。組織化学上,酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ(TRAP)陰性でJapanese type HCLと診断した。
ここに単球系抗原およびSmIgM (κ)陽性でリンパ節腫脹をきたしたHCLの1症例を報告し,若干の考察を加えた。

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© 1991 一般社団法人 日本血液学会
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