臨床血液
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症例
Natural Killer細胞由来と考えられ,急激な臨床経過を示し,末期に異型large granular lymphocyte増多を来した悪性リンパ増殖性疾患の1例
塚田 哲也大野 敏之森田 孝一尾辻 啓関根 隆夫西川 政勝小林 透北 堅吉白川 茂難波 紘二
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1991 年 32 巻 2 号 p. 162-166

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抄録

症例は20歳の男性。39°Cの発熱,全身のリンパ節腫脹と肝脾腫にて発症。リンパ節生検似因ってHE染色上T細胞性リンパ腫様の所見を呈した。VDSとPSLが投与されたが効果がなく,末梢血液中に異常なLarge granular lymphocyteの著増と著しい全身のリンパ節腫脹を来して死亡した。異常LGLは大型の細胞で比較的広い塩基性の細胞質に多くのアズール顆粒をもち,比較的大きな1ないし2個の核正小体を保有していた。膜表現型はFcγR+, CD2+, CD5-, CD7-, CD3-, CD4-, CD1-, CD8-, slg-, CD20-, CD11-, CD13-, OKIa+, CD25-, CD16+, Leu7-, Natural Killer (NK)活性+, ADCC-, TeR遺伝子の再構成が認められず,真のNK細胞由来のものと考えられた。

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© 1991 一般社団法人 日本血液学会
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