臨床血液
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シンポジウム4
白血病,リンパ腫における分子生物学的診断の展開
リンパ増殖性疾患とEBV遺伝子
巽 英二米田 規子
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1991 年 32 巻 6 号 p. 660-668

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抄録

再活性化抗体価は増殖細胞の担EBVを意味しないが,先行するIM, 顕著な髄外性増殖,バーキット・リンパ腫との類似などの特徴を持つ例では強く担EBVが疑われる。内部反復配列(Bam HIW)およびLMP(終末反復配列接合部構造を示す)プロウブを用いて,良性多クローン性CD3·8陽性細胞増殖例,CD3陽性4·8陰性顆粒リンパ球増多例,t(14,22) B細胞リンパ腫例などの担EBV例や,再活性化抗体価を示していて非担EBVである数症例での検索結果を例示した。IM急性期の数日おきの連続採取した末梢血細胞でEBV·DNAの検出を試み,まれであはあるが最初の材料で検出が可能であり,PCRにより確かに検出感度が上がる。IL-2Rβの発現およびIL-2Rαの非発現についてノーダン・ブロットで確認した。殺細胞作用の期待されるIM細胞ではあるがペルフオリンRNAの発現は認めなかった。

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© 1991 一般社団法人 日本血液学会
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