臨床血液
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症例
Alpha-Interferonが著効を示した血管免疫芽球性リンパ節症の1例
井本 しおん伊藤 光宏中川 俊太郎
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1991 年 32 巻 6 号 p. 681-685

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抄録

血管免疫芽球性リンパ節症(AILD)は,悪性腫瘍と反応性病変の中間に位置づけられるが,2年生存率は約30%と予後不良の疾患である。今回われわれは,ステロイド剤および化学療法に抵抗性のAILDに対し,recombinant Interferon α2a (α-IFN)を投与し著効を示した症例を経験した。症例は62歳女性。発熱と頚部リンパ節の著明な腫脹で発症。多クローン性高グロブリン血症と異型リンパ球出現を認め,リンパ節生検でAILDと診断した。当初はプレドニゾロン(PSL)によく反応したが,2カ月後にステロイド抵抗性となったため,悪性リンパ腫に対する化学療法を施行した。しかし7カ月後には化学療法抵抗性となった。ここでα-IFN(300万単位/日筋注)を試みた。翌日より解熱し,リンパ節腫脹も次第に消退,現在まで3カ月間寛解状態を維持している。

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© 1991 一般社団法人 日本血液学会
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