臨床血液
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臨床研究
治療抵抗性白血病および再発白血病に対する経口エトポシド(VP-16)長期連日投与の寛解導入効果
小山 覚斉藤 弘行柏葉 光利
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1991 年 32 巻 7 号 p. 736-742

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抄録
治療抵抗性および再発白血病に対して経口etoposide長期連日投与を試みた。初回寛解導入療法不応性白血病4例および再発白血病5例の計9例を対象とした。再発例の3例は再寛解導入療法に抵抗例であった。etoposideは50 mg/dayを連日経口投与した。投与期間は16∼50日間であり,7例ではAra-C少量療法(1日量10∼20 mg)を併用した。9例中6例(66.7%)に完全寛解(CR)が得られた。初回寛解導入療法に抵抗例の4例は全例がCRとなり,そのうち1例はVP-16単独投与を44日間行った。CR例の平均投与期間は27.6日であった。寛解例の寛解持続期間は,2カ月から24カ月(+)で中央値は7カ月であった。副作用は食思不振,腹部不快が3例に認められたが継続投与に支障はなかった。骨髄抑制は全例で観察されたが投薬中止後の回復はすみやかであり,重篤な感染症の合併は認められなかった。経口etoposide長期投与は白血病に対し有効性が認められ,検討する価値のある治療法と考えられた。
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© 1991 一般社団法人 日本血液学会
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