抄録
症例は51歳,男性。全身の皮疹を主訴に,東邦大学大橋病院皮膚科を受診,汎発性汗管腫と診断されたが,その際に白血球増多を指摘され,当科に紹介され,昭和63年8月8日入院となった。入院時,皮疹と軽度の肝脾腫があり,白血球数は50,700/μlと増加していた。患者はPh1陽性のCMLと診断され,8月12日よりIFN-α(HLBI, 3×106 u/日,連日筋注)により治療されたが,内視鏡検査にて食道下部に隆起性病変が見られ,生検により扁平上皮癌と診断された。9月26日,白血球数が17,400/μlの時点で食道癌根治術が行われた。退院後,IFN-αの使用により白血球数は正常範囲内となった。患者は8月2日にリンパ芽球性急性転化のため入院,一時的な寛解を得たが,再発,肺炎のため死亡した。IFN-α治療は非経口的な投与が可能で,副作用が軽度であるため,消化器癌を合併したCMLの治療に有用であると考えられた。