臨床血液
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症例
血小板増多を伴った骨髄線維症を合併したIgGλ型多発性骨髄腫の1例
高田 雅史梅田 正法志越 顕白井 達男
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1991 年 32 巻 9 号 p. 1001-1005

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抄録

血小板増多を伴った骨髄線維症を合併したIgGλ型多発性骨髄腫の1例を報告する。72歳の男性が,右背部痛と舌からの出血を主訴として受診,1989年5月18日に当科に入院した。入院時,肝脾腫を認めた。RBC 3.80×106l, Hb 12.2g/dl, Ht 36.9%, Plt 753×103l, WBC 22,100/μlでleukoerythroblastosisがみられた。NAPは正常,血清ビタミンB12, 血漿PDGF値高値であり,骨髄生検にて細網線維の増生を認めた。レ線上,第8胸椎および第6, 8肋骨に打ち抜き像を認めた。IgG 3,900 mg/dlで,免疫電気泳動にてIgGλ型のM蛋白がみられた。10月25日に頸部の激痛を訴え,レ線にて第6頸椎の骨折をみたため病巣郭清術を施行,生検にて形質細胞腫と診断された。VCAP療法,IFN-αにより治療,M蛋白の減少,腫瘤の縮小がみられた。

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© 1991 一般社団法人 日本血液学会
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