1991 年 32 巻 9 号 p. 1006-1008
血小板減少・溶血性貧血・腎不全・意識障害にて血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)と診断した51歳女性の血中von Willebrand Factor (vWF) multimerは著しく減少していた。直ちに血漿交換,抗血小板剤,ステロイド投与が行われた。一時的にvWF multimerは正常パターン化し,TTPは改善したが,vWF multimerの著しい増加に伴い,TTPは再度悪化して肺出血で死亡した。本例は,vWF multimerが経過に伴い変化した興味ある症例である。