臨床血液
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症例
白血病治療中の反応性組織球症と血小板輸血不応性に対するetoposideの効果
石田 也寸志横田 佳子田内 久道松田 博
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1991 年 32 巻 9 号 p. 970-975

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抄録

症例は11歳女児で,細胞形態(特殊染色所見),免疫表面マーカー分析および遺伝子解析の結果,骨髄系とリンパ系のhybrid acute leukemiaと診断した。2回目の骨髄再発の後,再導入療法を施行中に抗生物質不応性の弛張熱と肝脾腫を呈した。骨髄中の成熟した組織球の著明な増加と血清フェリチン値の著明な上昇から反応性組織球症と診断した。Etoposide (VP-16)を投与したところ完全に解熱し,そのほかの臨床症状も消失した。その後血小板輸血不応状態となったが,VP-16の経口投与に伴い血小板輸血効果の改善がみられた。この結果は白血病治療中の反応性組織球症およびそれに伴う血小板輸血不応症に対してVP-16の有効性を示唆している。

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© 1991 一般社団法人 日本血液学会
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