臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
臨床研究
漢方製剤による慢性型特発性血小板減少性紫斑病の治療成績
中山 志郎松下 章子市場 茂樹矢部 博樹永井 謙一
著者情報
ジャーナル 認証あり

1992 年 33 巻 2 号 p. 157-161

詳細
抄録

副腎皮質ホルモン不応性の特発性血小板減少性紫斑病に対する漢方製剤の効果を検討した。全例にまずツムラ補中益気湯を投与し,無効例にはツムラ柴苓湯,ツムラ人参養栄湯,ツムラ加味帰脾湯の順に変更して投与した。各漢方製剤別の有効率は補中益気湯で20.0%, 柴苓湯で20.7%, 人参養栄湯で5.5%, 加味帰脾湯で6.7%。全40症例の総合効果は12例(30.0%)で有効であり,またこの内8例での効果は6カ月以上持続した。漢方製剤の作用機序をインターロイキン-6やインターフェロンの産生との関連より論議した。

著者関連情報
© 1992 一般社団法人 日本血液学会
前の記事 次の記事
feedback
Top