臨床血液
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症例
Multivesicular Structureを示す空胞状封入体がみられたIgG-λ型多発性骨髄腫の白血化症例
藤井 浩中川 均加納 正松山 文男浦田 洋二
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1992 年 33 巻 8 号 p. 1090-1094

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抄録

末梢血や骨髄中の形質細胞に,大きな空胞状封入体がみられたIgG-λ型多発性骨髄腫の白血化症例を報告した。67歳の男性が骨痛で入院。尿BJ蛋白1.5 g/日,末梢血(63%)と骨髄(90%)での著明な形質細胞増加,血清M成分(IgG-λ型,6.0 g/dl),多数の骨融解像などより,白血化IgG-λ型骨髄腫と診断。末梢血や骨髄の形質細胞の多くは細胞質内に空胞状封入体を有した。大きさは1∼8 μmで,PAS染色とペルオキシダーゼ染色は陰性。AcP染色では封入体周辺部が強陽性で,内部は微細顆粒状に陽性。電顕では多くの空胞状封入体は一層の限界膜に囲まれて,内に微細小胞を含有していた。一部の空胞状封入体はfibrillary structureを呈した。これらの所見より,形質細胞の空胞形成にlysosomal systemが重大な役割をはたしたと推定された。

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© 1992 一般社団法人 日本血液学会
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