臨床血液
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症例
ErythropoietinおよびrhG-CSFの投与が有効であった再生不良性貧血の1例
東野 克巳木藤 克之程原 佳子藤山 佳秀馬場 忠雄細田 四郎
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1992 年 33 巻 9 号 p. 1237-1241

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抄録

症例32歳女性。前胸部,四肢に点状出血を認め近医受診。汎血球減少を指摘され当科入院。入院時検査成績:RBC: 247×104l, Hb: 8.8g/dl, Plts: 13,000/μl, WBC: 2,500/μl。骨髄穿刺,生検にて再生不良性貧血と診断。methylprednisolone pulse療法,mepitiostene, 抗リンパ球グロブリン(ALG)療法はいずれも無効であった。内服をoxymetholoneに変更するとともに,erythropoietin製剤およびrhG-CSFの投与を行ったところ,投与約5週後より赤血球,血小板が増加しはじめ,出血症状の改善を得た。投与12週後には,Hb: 11.4g/dl, Plts: 49,000/μlとなり,erythropoietin, rhG-CSFの投与を終了し退院。以後oxymetholoneのみで経過観察していたが退院4週後Plts: 12,000/μlと低下した。erythropoietinおよびrhG-CSFの併用投与は有効であったと考えられ,本療法の再生不良性貧血に対する有効性が示唆された。

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© 1992 一般社団法人 日本血液学会
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