臨床血液
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症例
Ranimustineが著効を奏したB-cell prolymphocytic leukemiaの1例
和気 敦山崎 嘉宏小川 亮介森 直樹永田 一彦塚田 順一中田 浩一三砂 將裕和泉 洋一郎藤田 一之織田 進森本 勲夫江藤 澄哉
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1993 年 34 巻 11 号 p. 1464-1469

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抄録

ranimustine (MCNU)にて寛解が得られたprolymphocytic leukemia (PLL)の1例を経験したので報告する。症例は66歳女性。リンパ球増多(31,050/μl)と貧血,脾腫を認め,リンパ球の88.5%は核の中心に核小体を有し,細胞表面マーカーはCD19, CD20, FMC7陽性で免疫グロブリン遺伝子再構成を認めB-PLLと診断した。染色体分析は48, XX, +3, +18とhyperdiploidだった。α-interferon無効のためMCNU 100mg投与を3クール施行したところ白血球増多は著明に改善し,prolymphocytes, 脾腫も消失し,完全寛解となった。その後無治療で約1年後再発をみたが,再発後もMCNU再投与にて完全寛解中である。MCNUは一般に予後不良といわれる本疾患において今後試みる価値のある治療法と考えられる。また再発時本例は,系統的リンパ節腫大,IgM-λ typeのM蛋白血症およびCD11b, CD13, CD25など初診時認められなかった表面形質の発現が認められ,興味ある症例と考えられた。

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© 1993 一般社団法人 日本血液学会
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