臨床血液
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臨床研究
治療抵抗性または再発性非Hodgkinリンパ腫に対するACVP-16療法の検討
新津 望原 明博梅田 正法白井 達男
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1993 年 34 巻 7 号 p. 829-834

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抄録

Adriamycinを含む化学療法に治療抵抗性あるいは再発性の悪性リンパ腫に対し,ACVP-16療法とG-CSFを併用し治療成績を検討した。対象は非Hodgkinリンパ腫20例で,男性11例,女性9例,年齢中央値54歳。病理分類は,D. large 14例,D. medium 4例,D. mixed 2例であった。初回治療はCOP-BLAM療法,IMV-triple P療法,COP-BLAMIII療法であった。方法は,ara-C 100 mg/m2第1日目から5日目,CBDCA 250 mg/m2第1日目,VP-16 70 mg/m2第1日目から3日目まで点滴静注とし,第7日目よりG-CSF 2μg/kgを皮下投与した。治療効果は,CR 7例(35%), PR 8例(40%)で奏効率は75%であった。本療法開始後の50%生存期間は,CR例11カ月,PR+NR例4カ月であった。副作用は1,000/μl以下の白血球減少15例(75%), 5万/μl以下の血小板減少12例(60%)に認めた。ACVP-16療法は,治療抵抗性あるいは再発性非Hodgkinリンパ腫において有効であると思われた。しかし,G-CSFを併用しても白血球減少をきたした症例がみられ,重症感染症に注意する必要があると思われた。

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© 1993 一般社団法人 日本血液学会
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