臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
臨床研究
多発性骨髄腫における血中可溶性interleukin-2受容体の臨床的意義
秋本 佳久石山 泰二郎上野 秀之日野 研一郎友安 茂鶴岡 延熹
著者情報
ジャーナル 認証あり

1995 年 36 巻 11 号 p. 1247-1251

詳細
抄録

血中可溶性interleukin-2受容体(sIL-2R)は成人T細胞白血病,悪性リンパ腫等で高値を示すことが知られているが,著者らは,多発性骨髄腫(MM)においてsIL-2R濃度を測定し臨床的意義を検討した。対象はMM 16例および正常27例でsIL-2RはELISA法で測定した。正常人血清213±80 U/ml (mean±SD)に対し,MM 963±523 U/mlと増加していた。MM症例では病期の進展に伴いsIL-2R値は増加し臨床経過において免疫グロブリン値と相関した。また,血清interleukin-6および血清β2 microglobulin値はsIL-2R値と相関し,末梢血CD4/CD8比は病期の進展に伴い減少した。MM症例ではsIL-2Rは高値で,その成因にIL-6によるB細胞の活性化およびT細胞の活性化が想定され,sIL-2Rは病勢と相関し活動性の指標になると思われた。

著者関連情報
© 1995 一般社団法人 日本血液学会
次の記事
feedback
Top