臨床血液
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臨床研究
All-trans retinoic acidによる急性前骨髄球性白血病の分化誘導療法の効果判定のための客観的指標の提唱
中島 秀明木崎 昌弘高山 信之川合 陽子渡辺 清明岡本 真一郎池田 康夫
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1996 年 37 巻 3 号 p. 208-213

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抄録

オールトランスレチノイン酸(ATRA)による分化誘導療法では寛解の判定が困難なことが少なくなく,しばしば,治療効果の判定および化学療法への移行時期の決定が困難なことがある。われわれは,急性前骨髄球性白血病患者18例に対してATRAを投与し骨髄所見,染色体解析,遺伝子解析(RARα再構成,PML-RARα微小残存病変)を経時的に施行,ATRA療法における寛解を客観的に判定しうる指標を検討した。染色体,RARα再構成,PML-RARα MRDの正常化に要する平均日数はそれぞれ31.2, 34.8, 47.6日であった。Maturation Index (MI)を(分葉核球+桿状核球+後骨髄球)(%)/(骨髄芽球+前骨髄球+骨髄球)(%)と定義すると,MIが2以上となる日数は,染色体正常化の日数と良い相関を示した。以上より,MIは分化の指標および寛解判定の基準として有用である可能性が示された。

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© 1996 一般社団法人 日本血液学会
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